- 2024年3月7日
13年前のリハビリ室を振り返って
皆様こんにちは。リハビリテーション科 科長の宮川です。院長のブログに続き、東日本大震災が起こった2011年3月11日のリハビリ室を振り返りたいと思います。
当時の私は新卒で入職し、1年目の出来事でした。普段と変わらぬ日常を過ごしていたと思いますが、当院も通常診療を行っていました。まだガラケー時代、今日のようにスマートフォンからアラートが鳴ることは無く、テレビの緊急地震速報のみで情報を得る時代でした。地震発生時、院内は午後の診療開始直前であり、幸い患者様は院内におりませんでした。揺れは次第に大きくなり、その当時あった温熱治療用に使うお湯が大きな揺れと共に溢れ出しました。私自身経験した事のないゾッとする程の揺れを感じた事を記憶しています。
3月14日、当院は計画停電の対象地域であり、急な停電により電子カルテのデーターが消えてしまう恐れがあったため、電子カルテを起動して診療を行う事が困難でした。そのため電子カルテを使わずに予約のリハビリは通常通り行い、電気治療の患者様の記録が全く分からなかったため、どの機器を使用しどの部位に行っていたかを聴取して行いました。記録は全て紙カルテを使用していました。過去の記録を確認する事が出来ないのはとても大変でした。院長の診察も紙カルテを使用し、会計は後日清算をお願いしました。ある日突然10数年前にタイムスリップした感覚でした。開院当初より電子カルテを使用していたため、どの部署も混乱しながらの業務になりました。
現代では電子カルテがスタンダードでありデジタル化が推進されている矢先、全ては電気がある事で成り立っており、突然アナログに逆戻りする事はいかに大変かという事を思い知らされました。普段何不自由なく生活出来ているこの“当たり前”に改めて有り難みを感じました。
もしもあの地震が診療中に起きていたら…また起きたら…と思うととても恐怖であり、想像が出来てもその時に最善の行動を取る事が果たしてできるのかと考えてしまいます。現在は当院の理学療法士やスタッフは若い職員も多いため、震災を経験したからこそ次の世代に伝えていく事が大切だと思っています。
では、次回は受付が当時どの様な状況だったのか、事務長の冨田に振り返っていただきます。