筋断裂(肉離れ)

症状

筋断裂(肉離れ)画像

筋断裂(肉離れ)は、筋肉が損傷や断裂するケガです。太ももやふくらはぎなどの筋肉が裂けたり、切れたりすることによって炎症や内出血を起こし、患部が腫れや激しい痛みを感じます。部分的に断裂することが多いですが、筋肉が完全に断裂してしまうこともまれにあります。

典型的な症状として、まず肉離れを起こした瞬間に『ブチッ』や『バチッ』といった筋肉の断裂音が聞こえ、その直後より痛めた筋肉に強い痛みが出て歩くことが困難になります。肉離れを起こした部分を押すと強い痛みがあり、また筋肉に対して、曲げ伸ばしして収縮運動を起こさせると強い痛みが発生します。
筋断裂(肉離れ)は、ふくらはぎにある腓腹筋、太ももにある大腿四頭筋やハムストリングス、上腕二頭筋などに生じることが多いです。

原因

筋断裂(肉離れ)の原因は、ダッシュやジャンプなど、急激に筋肉への負荷がかかってしまう動作に対して、筋肉が耐え切れない場合に起こります。急に筋肉に強い負荷がかかり、その負荷に筋肉が耐えられなくなった場合に、筋肉の一部が切れたり、裂けてしまったりします。

スポーツをしている時だけではなく、筋肉が疲れていたり、弱っていたりすると、ちょっとした運動や日常の何気ない動作でも、肉離れになる可能性もあります。

治療方法

筋断裂(肉離れ)の治療方法は、安静にして固定が基本となります。肉離れというのは「ひとつにまとまっていた筋繊維に無理な力がかかった影響で部分断裂した状態」です。肉離れによって壊れた筋肉の繊維も、固定することで修復します。
運動は段階的に進めていき2~3週間は荷重を制限したり、症状が強い場合はシーネ(副木)固定をして松葉杖を使用する場合もあります。

予防方法

予防のためには、「急激に筋肉に負荷をかけない」「筋肉を良い状態に保つこと」を意識することが重要です。ウォーミングアップ、ストレッチを入念に行ったり、お風呂でリラックス、睡眠も十分に行い、疲れが残らないような生活習慣も大切です。

シンスプリント(脛骨疲労性骨膜炎)

症状

シンスプリント(脛骨疲労性骨膜炎)画像

シンスプリントは、オーバーユース(使いすぎ症候群)の1つであり、繰り返しのランニングやジャンプを過度に行った場合に発症しやすい障害です。運動時や運動後にすね内側の中央から下方1/3にかけて、ズキズキとした痛みが生じます。特にランナーに多く見られ、他にも陸上、バレーボール、サッカー、バスケットボールの競技でも多く見られます。
よく似ている症状としては「疲労骨折」が挙げられます。一般的には「疲労骨折」の場合の方が疼痛範囲は狭く「シンスプリント」の場合の方が疼痛範囲は広範囲に及ぶことが多いです。両疾患は鑑別が容易ではなく注意を要します。

原因

シンスプリントの原因は、明らかになっていません。主な要因としては、オーバートレーニング、運動内容、固いグランドや路面でのトレーニング、薄く硬いシューズの使用、足関節の柔軟性低下や下肢の筋力不足、足部の疲労による衝撃緩衝能の低下などが挙げられます。

治療方法

痛みが強い場合は慢性化を避けるために運動量を減らす必要があり、アイスマッサージや外用薬の使用、足底や足関節周囲の筋肉の強化やストレッチを行います。足底板(医療用の靴の中敷き)も効果的で、クッション性が良くかかとの安定したシューズを選ぶことも重要です。